ベトナム語学視察研修

 平成25年11月28日(木)〜11月30日(土)
ベトナム基本情報
■ 名称: ベトナム社会主義共和国
■ 人口: 全体9,000万人(ホーチミンシティ900万人/ハノイ450万人)
■ 宗教: 仏教、キリスト教、他
■ 言語: ベトナム語
■ 通貨:ドン (Dong) 1,000ドン=およそ5
■ 首都: ハノイ
■ 教育: 6歳から小学校5年、中学校4年、高校3年の12年制。小学校・中学校は義務教育
■ 時差:−6時間
 ホーチミン市師範大学日本語学部(HCMC University of Pedagogy) 
02 1956年サイゴン大学として設立され1976年にホーチミン市師範大学に改名。2005年9月に日本語学科が開設され、2013年2月に日本語学部に昇格しました。
 理念は「拡大するベトナムの日系企業進出に対応できる日本語と日本文化を深く理解する人材を育成すること」。日本人教師 藤谷寿子先生による大学4年生50人(女性40名・男性10名)のクラスを見学させて頂きました。ここは成績上位者のクラスなので、日本語のレベルがとても高く、学生たちは、日本語を学ぼうと思った動機や将来の夢について溌剌と話してくれました。英語と日本語学習の違いについて、通常ベトナムの子どもたちは中学・高校で英語が必修となりますが、ベトナム語はアルファベット表記に近いため親しみやすく、日本語は文法がとても難しいそうです。
 日本の文化や日本語が大好きと話す学生たちの瞳はキラキラと輝いており、藤谷先生も「とても教え甲斐があります」と笑顔でおっしゃっていました。
 訪問時の授業は「異文化コンフリクトについて」。50名の学生が5、6人ずつのグループに分かれ、「ベトナム人と日本人」「ベトナム人とアメリカ人」「ベトナム人と韓国人」の生活習慣や文化の違いから生まれる誤解や摩擦について、日本語で解決策を発表するもので、寸劇やジェスチャーを取り入れるなど工夫が見られ大変おもしろかったです。
 東遊(ドンズー)留学生コースセンタービン・ミ−分校 
 校長のグェン・ドック・ホーエ先生は19歳の時に来日し、東京大学、京都大学で留学生活を経験されました。その時に体験した寮生活の素晴らしさから、1964年、東京に日本語塾「東遊学舎」を設立します。76年に閉鎖して帰国後、1991年ホーチミンシティに東遊日本語学校を設立します。日本語学習熱の高まりにのって、最盛期には生徒が5,000名おり、60名の日本語講師がフル稼働で教えたそうです。現在は生徒数3,600名、講師数は50名で日本人講師は10名です。
 ここでの収益を元手に、2011年にホーチミンシティ郊外に留学コースセンターを設立(寄宿舎)しました。生徒数は180名(男性90名・女性90名)で、成績順にクラスを3つに分け、その下に成績が落ちた学生のクラス(50名)があります。ここで頑張らないと、その先には自宅へ戻されるという厳しい処遇が待っています。履修科目は数学、物理・化学、英語、日本語としつけです。貧しい家庭(農家)の子どもたちに良い教育をして国の将来を担う優秀な人材を輩出することを目的としているため、ここで収益を上げることは考えず、運営のほとんどを本校の売り上げで賄っています。
 学生たちは1年から2年で卒業し、卒業後は日本へ留学し、日本企業に就職したり、起業したり、ベトナムに帰国して就職する等各方面で活躍しています。
 学生たちの生活の流れはざっとこんな感じです。
5時起床 → 6時まで自習 → 6時〜6時半エクササイズ → 7時〜7時半朝食
→ 8時〜11時半授業 → 11時半〜1時半昼食・昼寝 → 1時半〜4時半授業
→ 5時〜6時エクササイズ → 7時〜7時半夕食 → 夕食後は自習 → 11時就寝
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 ヌュイチック日本語学校 
02 1991年ハノイに創立された日本語学校。設立時生徒は20名でしたが、現在は2,300名が在籍しており、日本人教師が12名、ベトナム人教師が26名います。学生のほとんどがレベル2の初級者で70%が大学生です。日本語力があると日本企業への就職率が高くなり、給料が良いので学生は大学の授業が終わってから通ってくるとのことでした。日本人教師の聴解の授業とベトナム人教師の文法と単語の授業を見学させて頂きました。
 書くこと・読むことは得意ですが、話すことが不得手な学生が多く、聴いて話す授業に力を入れているところは、日本人の英語学習者に似ていますね。学費は3か月で70ドル、テキストは無料で配布しています。貧しい家庭の子どもが多いので、ビジネスではなく文化交流と日本語の普及を理念としています。学習目標は1年で日本語能力検定試験3級に合格することで、月曜日から金曜日まで毎日3時間の授業を1年受けると3級に合格する実力がつくようです。
 校長のLIEN先生は1954年から3年間中国へ留学した後、政府留学でロシアへ9年間留学されており、ベトナムではスポーツ大臣として活躍されました。1989年に日本の俳優兼歌手杉良太郎氏と出会い、同氏の支援を受けて本校を創立したそうです。
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 栄光ベトナム 
02 1998年にハノイ大学と合弁会社を立ち上げて、11年ほどハノイ大学の中にオフィスを構えていました。主な業務は旅行、通訳、語学教育(英語、日本語)で、2012年12月に現在の新築ビルに移転してきたそうです。2010年から英語と日本語の授業に栄光メソッドを導入しました。現在日本語を学ぶベトナム人は300名で、日本人教師5名とベトナム人教師4名+アルバイト10名が担当しています。学生のほとんどは大学生と社会人、ベトナムでは日本語が中学と高校で第二外国語となっているため、学びたい学生が増えているそうです。また日系企業(メーカー)からの日本語教育の依頼も多く、現在100名以上が入学待ちとなっているそうです。2013年5月に開講した日本人向け学習塾も人気が高く、ベトナムに駐在する日本企業のご家庭のお子様が、口コミやFACEBOOKの情報を基に集まってくるとのこと。塾の授業はマンツーマンで行い、専任の日本人教師2名が担当しています。
 ベトナム研修思い出アルバム 
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まとめ
02今回は「ベトナムの日本語教育視察」というテーマで5か所を訪問いたしました。
私たちの母語である日本語をベトナムの学生さんたちが一生懸命学ぶ様子を拝見し日本人としてとても嬉しく、おひとりおひとりの夢や希望が叶うようにハノイ文廟の孔子様にお祈りいたしました。
ベトナムでは経済成長に比例して英語学習熱も高まっています。現在ハノイにはたくさんの英語学校ができており、将来の留学や就職に備えて若者を中心に英語を学ぶ人が増えています。
02ベトナムという国をすべて知るにはあまりに短い訪問でしたが、侵略と支配、戦争に翻弄されてきたベトナム国民の皆様の「生きるために生きる」、そんな底力が伝わってまいりました。
2013年、日越国交樹立40年を迎え、これから日本とベトナムは経済や教育の分野でますますその関係が深まっていくことでしょう。ベトナムと日本の学生さんたちがお互いの国の言語、文化を学び、将来良きライバルとして世界で活躍をしてくださることを願っています。
最後になりましたが、この研修に関わったすべての皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。藤
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